「硫黄島からの手紙」

私のブログを読んでくれる人は、

女性の方が多いので、戦争映画は敬遠なさる方が多いと思いますが、

いい映画だったので、紹介させていただきます。






クリント・イーストウッドが、アクションスターだったことを、

知らない世代も、増えているのではないでしょうか?

今や、かなり高齢ながら、アメリカを代表する映画監督の一人となりましたが、

若いころはなかなか芽がです、下積み時代が長かったのです。

最初に俳優として人気が出たのは、なぜか日本で、

その世界的人気を決定的としたイタリア映画「荒野の用心棒」(1964年)は、

黒澤明の「用心棒」(1961年)のそのまんまのパクリでした。

自身、「自分がスターになれたのはクロサワのおかげだ。」と公言しています。

そういう縁があるのか、

第2次世界大戦の有名な硫黄島の戦争を描いたこの映画は、

とても、西洋人が監督したとは思えないぐらい、

日本人が見てもよくできています。

というより、これは「日本映画」です。




細かい史実は私は知りませんし、日本の戦争映画をあまり見ていないのですが、

生きて虜囚の辱めを受けることなかれと教育された時代に、

それでもやはり、ホンネは生き延びたい

祖国に帰って家族に再会したいと思うパン職人にスポットを当てて、

話が進んでいくのに好感が持てました。

ある意味で、こういうところはアメリカ映画的でしょうね。

追い詰められた兵士の手りゅう弾を使った「玉砕」のシーンは、

思わず目をそむけたくなりますが、

こういうリアリズムは、

今までの日本映画にはなかったのではないのでしょうか?





タテマエはともかく、誰もお国のためになんか死にたくない、

そう追い詰められていくんだという状況が、

非常によく描けていると思いました。

民間人を含めて、たくさんの方が亡くなった、

第二次世界大戦の、今日は終戦記念日です。