映画「ミッドナイト・イン・パリ」を鑑賞する
映画「ミッドナイト・イン・パリ」を鑑賞する
(2011年 アメリカ・スペイン)
ウディ・アレンの映画が苦手な人は、
彼の少しスノブな処が嫌なんだと思います。
まるで、青臭い文学少年のように、
知っている知識をひけらかす様な処があります。
かつては、それが精神分析的分野に偏っていたような気がするんですが、
最近は、ヨーロッパ(ないしはアメリカ)の
19~20世紀文学・芸術に嵌まっているようですね。
この映画に登場する、やれF・スコット・フィッツジェラルドだとか、
アーネスト・ヘミングウェイだとかいう作家は、
私が若い頃、新潮文庫でお世話になった面々で、
私も、自分が昔のパリにタイムスリップしたように楽しめましたが、
こういう方向に関心のない方が観たら、
何のことやらわからない映画でありましょう。
この二人に以外にも、
数々の偉大な芸術家を生みだしたパリへの尊敬が随所にうかがえる作品です。
殆どの役者さんは
「そっくりさん」的な俳優を選んでいるように見受けられましたので、
ガートルード・スタインを、キャシー・ベイツが演じているのに、
違和感を感じたのは私だけでしょうか?
なんか変な気が致しまた。
映画自体は大変ファンタステックなお話で、
かつての名作「カイロの紫のバラ」(1985年)を思い出させて、
もうウッディ・アレンの映画のピークは過ぎたと思っていた私は、
この映画監督の息の長さに感心するばかりでした。
それにしても、この人の映画の登場人物は、
フィンセント・ファン・ゴッホの絵が使われているのに、
京都を舞台に、この映画を真似した企画があれば面白いでしょうね。