映画「山の音」を鑑賞する! 成瀬巳喜男監督作品

映画「山の音」を鑑賞する! 成瀬巳喜男監督作品


 
1954年 日本
 
私は、どうも川端康成と言う作家が食わず嫌いでして、
あの神経質そうな顔写真を見ると、作品を読む気が失せてしまいます。
何でも、文壇の重鎮として君臨したとか、
太宰治芥川賞をあげなかったとか、
そういう嫌なイメージばかりを私は持っております。
日本人として初めてノーベル文学賞を貰ったのは周知の事ですが、、
ロシア民族の魂を具現しているというような意味では、
日本人の心を代表していないのではないのでしょうか?。
(殆ど作品を読んでいないのに、エラそうな事を書く私。
この映画「山の音」は、川端康成の同名の小説を原作にしているそうで、
小説の方も大変評価が高いそうですが。

 

 
ここまで、成瀬巳喜男監督の作品を何本か見て来たのですが、
この方は、「ダメ男」を描くことに専念された方なのでしょうかね?
今まで観てきたた限りでは、作品の中に常にだらしない男がででくる。
「真の男性とは何ぞや?」と終始問い続けたような黒澤明とは
対極をなす作家のような気が致します。
この映画も、早い話が原節子という奇麗な奥さんがいながら、
他の女と遊び呆けて子供まで作ってしまい、
遂には奥さんに三行半を突きつけられる
情けない男上原謙)の話なのであります。
 
それにしても、原節子の良妻ぶりのワンパターンなこと!
この方は美人だけれど大根だとは、私が常々言っていることですが、
この映画における演技と、東京物語でのそれとが全く変わらない。
勿論、「良妻」という役柄には、それなりのステレオタイプがあって、
周りの人間がそういう演技を要求するのでしょうが、
もう少し作品によって変化があってもよさそうな気が致します。
作品の焦点は、実はこの原節子と義父(山村聡)との、
そこはかとなく漂うプラトニックラブ 
にあるんですが、
「なんだか、不潔だよね~」と私は思ってしまいました。

※この作品、他の方のレビューで絶賛されていたようなので、
天邪鬼の私は敢えて悪口を書いてみました。
こういう感想文が面白いと言ってくれる方もおりますので。

会話の自然さとか、物語の進め方とか、
成瀬巳喜男作品には好きな処が沢山あるんですが、
この作品に関しては特にそういう利点は感じませんでした。
結局、私は川端康成が嫌いなのであります。