映画「大統領の執事の涙」を鑑賞する!

映画「大統領の執事の涙」を鑑賞する!


 
2013年 アメリ
あらすじ:奴隷の子供として育ったセシルは目の前で白人の主人に父を殺された過去を持つ。農園を脱出し、放浪の末、ホテルのボーイとして働き始めたことがキッカケになり、彼の勤勉さと接客が気に入られスカウトされ、やがてホワイトハウスの執事としてアイゼンハワーケネディら、歴代大統領の元で働き続ける。妻グロリアとの間に二人の息子にも恵まれたが、黒人への人種差別問題が根深く残る時代、白人の下で働く父に反発し、大学に行かず公民権運動に熱中する長男のルイスとの確執が深くなる。「キューバ危機」「ケネディ暗殺」「ベトナム戦争ホワイトハウスの中で激動の時代をまじか見てきたセシルだが、彼と彼の家族もまた波乱の運命を辿る事となる。。。
 
アメリカ近代現代史
の格好の教科書となる事は請け合いの映画であります。
一人のホワイトハウスの黒人執事の目を通してみた20世紀の超大国
実話に基づいているそうですが、
ちょっと出来過ぎの感もある処もありました。
例えば、いくら個人主義の徹底したアメリだとはいえ、
息子が反体制のリーダーである黒人執事を、
ホワイトハウスにいつまでも置いておくものでしょうかねえ?
しかし、そういう設定にしないと、
長い人種差別の歴史を描けなかったのでしょうね。
 
おそらく、スター俳優たちは、安いギャラでこの映画に出たのでしょう。
 

 
(映画を観ている時は、セシルのお母さん役がマライア・キャリーだとは全然気が付きませんでした。)
 
最近整形手術をしたような顔のジェーン・フォンダ
ナンシー・レーガン役はまさにピッタリでしたが、(笑)
 

 
歴代の大統領を演じる各俳優さんたちの演技が、
仮装大会に出ているようで、思わず笑ってしまいました。
 


 
茶化してはいけません。
テーマは大変重いものです。
この映画で描かれるアメリ南部に今でも残っているであろう黒人差別は、
観ていて、胸がむかつくものがあります。
(私も、有色人種ですからねえ。)
 

 
でも、その厚い差別の壁をはねのけたのは、
決して、派手な反体制運動ではなくて、
セシルのような良心的で仕事に熟達した黒人たちの
地道な生活への努力であった事を
この映画は教えてくれたのでありました。

教訓的な映画がいい映画だとは限りませんね。
正直に言って冗長な処もありましたが、
お勉強のためには、一見に値するでしょう。