映画「リトル・ダンサー」を鑑賞する!

映画「リトル・ダンサー」を鑑賞する!

2000年 イギリス


たしか、ぐりさんのお勧めだったと思うこの映画を観ました。
とても、爽やかないい映画でした。
なにより、ダンスすることの楽しさが伝わってくる。
クラシック・バレイなんかには滅法弱い私ですが、
そんな難しい知識は要りません。
 
サッチャー政権下の、不況に喘ぐ貧しいイギリス
労働者階級
の家庭のお話です。
息子をボクサーにしようと夢見る父親の意志とは裏腹に、
バレイに魅せられてしまう少年ビリー・エリオット
母親は、ビリーが幼いころに亡くなっており、
炭鉱夫である父親はストライキの真最中。
貧しい一家は、とても幸福だとは言えません。
私は、かねがね
「ダンスは怒りの代弁である。」と言う仮説を立てているのですが、
この映画を観て、その思いを新たにいたしました。
 

 
最初は、バレエなんかに月謝を使うなんてと激怒していた父親が、
次第に息子のダンスの才能を認めるようになっていく。
息子の将来の為に、自分のプライドを捨てる。
武骨な労働者階級の男性の、息子への不器用な愛情に、
思わず私は泣いてしまいました。
 

 
この手の映画に付き物のSEXの問題(特に同性愛)をさらりとかわす、
その内容の上品さにも惹かれます。
才能のある少年を、みんなで育てようとする周囲の愛情もいいですね。
サクセスストーリーはサクセスストーリーなんですが、
あの「ロッキー」(1976年)のような、がつがつした感じがない。
エリオットが、ロンドンのロイヤル・バレイ学校の面接試験で語るように、
まず、ダンスすることの楽しさが前面に出た楽しい映画でした。
まだ、観られていない方には、私もお勧めいたします。