追悼 ソルジェニーツィン
追悼 ソルジェニーツィン
アレクサンドル・ソルジェニーツィン(1918年12月11日 -2008年8月3日)
別に、追悼記事ばかり書きたくないのですが、
、
それだけ年をとったせいか、
、
それだけ年をとったせいか、
自分の人生に影響を与えた人が亡くなっていくので、
書き残しておきます。
詳しい経歴を御存じない方は、
例によって「ウィキペディア」を読んでください。
第2次世界大戦の敗戦のあと、
日本の知識人の間には、マルクス主義が浸透し、
ソ連をあたかもこの世の楽園のようにいう人たちが多かったので、
この人の処女作『イワン・デニーソヴィチの一日』(1962年)は、
当時、大きな衝撃をもって読まれたようです。
(私たちは、どうも過去のことを忘れっぽい民族のようで、
現在悪評高い北朝鮮も、1950~60年代には、
この世の楽園のように主張する大学教授がごまんといたのです。)
自身、その著作の中で、収容所時代の一番辛かったこととして、
囚人服姿で、異性の前に出ていかななければならなかったことを挙げていましたが、
過酷を極めた強制収容所を生き抜き、正に筆一本で、
巨大なソ連という官僚国家と戦ったそのエネルギーは、
日本の知識人には、絶対真似できないものでしょう。
私は、自分が落ち込んだ時には、
こういう人たちに比べたら、自分の人生はなんと幸福なことか?
と、思う事にしてきました。
皮肉なことに、この世の楽園のソ連ではなくて、
シベリアの強制収容所の中から、生まれたのでした。
謹んで、追悼の意をささげます。