猫飼好五十三疋
初代豊国の弟子で月岡芳年の師にあたる国芳は無類の猫好きだった。1枚刷りの浮世絵にも団扇(うちわ)絵のも猫を描いているが、猫族を描いた彼の代表作はやはりこの3枚続き、東海道五十三次をもじったこの作品であろう。西洋近代の絵でも猫は諸方に姿を現す。シャンフルーリ著『猫』の挿図、この本の広告ポスターとしてマネが制作した《猫のあいびき》、ゴーギャンやナビ派のさまざまな作品などである。猫ではないが、ゴーギャンの《3匹の子犬のいる静物》でさえ、フランスでは国芳の作品がヒントではないかと言われている。他方で、マネの《ペルト・モリゾの肖像》で明らかなように、すでに1890年代には国芳の作品がパリにあったわけで、この前後から彼の作品が西欧の画家たちの目にふれていたものと思われる。
印象派以降の西洋絵画には、
浮世絵の影響が濃厚みたいなので、
『猫と洋画』の番外編として、
載せてもらいます。
こういうユーモアのセンスは、
現代のマンガに通ずるところがあり、
私は大好きです。
江戸時代の日本人の識字率は世界一だったそうですが、
庶民の教育程度の高さとバイタリティが、
日本の強さだと私は思います。