「影武者」と言う失敗作・その2
ここで、仲代達矢の悪口を、たくさん書こうと思っていましたが、
皆さん、前回のコメントで、共感していただいたので、
改めて書きません。
極めつけの大げさな演技を一つ↓
あらすじは、書くのが面倒なので、
Wikipediaからのまる写し。
小泥棒が戦国武将・武田信玄の影武者として生きる運命を背負わされた悲喜劇。武田信玄が上洛を目指す最中、野田城攻めにおいて何者かに狙撃されこの傷が元で死亡した事実を隠すため、弟・武田信廉らは信玄の影武者を立てる。この男は盗みの罪で処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから信廉に助けられていた。当初は逃亡を企てた男も、一度対面した信玄の威容に圧倒され、影武者としての人生を受け入れる。だが、一方、歴史の歯車は織田信長の台頭、武田家没落という運命に向かって大きく回り始めていた。
その他、悪口を書きます。
広くオーディションを行って、
新しい人材を発掘しようとした意気込みは、わかるのですが、
この方、ずぶの素人です。
それを、徳川家康と言う、重要な役に抜擢する神経がわからない。
セリフは棒読みでした。
つづく『乱』(1985年)でも、きわめて重要な役で、この人を起用しています。
さすがの黒澤氏も、晩年は、裸の王様だったのでしょうか?
その2.音楽がひどい! |
私は、音楽に造詣が深いとは言えませんが、
黒澤氏の音楽のセンスは、首を傾げたくなる時があります。
『乱』の時には、なんでも、「世界名曲全集」みたいなものを持ち出してきて、
武満徹に、「こんなふうにやってくれ。」と注文をつけて、
武満氏を辟易させたそうです。
(『乱』を最後に、武満氏は黒澤作品との決別を宣言しました。)
この映画では、武満氏の弟子、池辺晋一郎を起用しましたが、
トランペットの多用がうるさくて、
私には聴くに堪えないものでした。
長篠の合戦で大敗して、それが武田家滅亡の原因となったのは、
誰でも知っている事ですが、
あたかも、武田の武将たちは、その敗北を予期していて、
親方様(武田信玄)に、殉ずる気持ちで死んでいく。。。
そんな戦争、あるわけないだろ!
一人の英雄の為に、なんでこれだけ死ななければならないのか?
(この点は、外国人には特に不可解だったらしく、
理解できないという意見が多かったです。)
最後に、
在日コリアの方のようですが、
そのきらめくオーラは、まさに織田信長に打ってつけ!
芸能界で成功する人は、マイノリティが多いというのは、私の持論ですが、
「艱難、汝を玉にす」とは、まさにこの事でしょうか?
つづく『乱』でも、素晴らしい演技を見せました。
勿論、戦闘シーンの素晴らしさは、はさすがに黒澤氏の面目躍如といったできでしたが、
美しい絵巻物を見ているような気がして、
かつての、ヒューマニズムが影を潜めたのが、惜しまれます。
勝新が主役だったら、もっとユーモアの溢れた名作になっていたと思うのですが。
おしまい |