「チェンジリング」







何でも、物事を斜に構えて見る猫さんは、

ブロ友のマキシムさんが、この映画を6回にも分けて、事細かに分析した記事を読んでいる時は、

少々白けた気分でいました。

(へ!どうせ、また、フェミニズムの押しつけだろうさ!)

ところが、先日、TSUTAYAに行って、

何も見たい映画がなかったので、

ヤッターマンとどちらにしようか迷った挙句に、この映画を借りて、(笑)

何気なくこの映画を見始めた途端、

私は、この映画の持つ強い魅力に、引き込まれて行きました。。。


※映画の筋を話すのは、あまり得意ではありませんので、

興味のある方は、マキシムさんのブログを見てください。








まあ、日本風に言うと、

母は強し!

と言うお話なんでしょうが、

決して、おしつけがましいところがないのがよい。

日本なら、大竹しのぶあたりが、

泣きじゃくって、「熱演」するところでしょうが、(-_-


アンジェリーナ・ジョリーは、とてもナチュラルな演技で、

愛する子供をなくして焦燥するシングル・マザーを、

見事に、演じていました。

「私は、権力と闘いたい訳ではない。

子供を取り返したいだけだ。」

と言うセリフが、確かあったと思いますが、

私は、こういう闘う女性は、大好きです。


かなりの部分、史実から作られているようです。

私が、羨ましいと思ったのは、

西洋においては、この世の権力(この映画の場合、「警察」)と対立する形で、

教会と言うものが、弱者救済の重要な役割を演じる場合もあると言う事です。

↑この部分は、修正しました。

警察のメンツを保つために、精神病院に強制入院させられた主人公を救うのは、

警察の不正を糾弾してやまない牧師でしたし、

その後も、陰に陽に、教会が、この不幸な女性の力となっています。

日本の歴史において、宗教が真に権力と対立した事があったでしょうか?

寄らば大樹の陰。長いものには巻かれろ。物言えば、唇寒し秋の風。。。


精神病院における人権侵害についても、

そういう点では、日本の方が、ずっと先進国なはずなのに、

そういう問題を正面から扱った日本映画を、

不幸にして私は知りません。


なにより、好感が持てたのは、

イーストウッドの、真の弱者への、暖かいまなざしです。

今でこそ、押しも押されぬ巨匠監督ですが、

若いころは、なかなか芽が出ず長く下積みの苦労をした監督ならではの視点でしょう。

この映画を見て、皆さんに評判のいい『グラン・トリノ』も観る気になりました。

面白ければ、また、感想を書きます。