「羅生門」・その3

羅生門」・その3


前回、自分の意見を書きなさいと皆様から御叱りを受けたので、
映画「羅生門」を観た私の感想を箇条書きにいたします。
(あらすじは、皆様ご存じのようなので省略させていただきます。)
 
 
 
 
1.クロサワの知性と言うより、
芥川の知性
 
世界中のインテリを驚嘆させたこの映画の哲学的な深さは、 黒澤明に由来するというより、 むしろ芥川龍之介の原作「藪の中」に負うところが大きいのではないのでしょうか? この映画に観られる分析的、懐疑的な傾向は他の黒澤作品には見られません。 原作にはない最後の捨て子のエピソードにこそ、
 黒澤明ヒューマニズムの真骨頂があると思うのですが、
この映画が評価されたのは、おそらくこの部分からではないでしょう。
ちなみに、「藪の中」にはイギリスの小説に元ネタがあるそうです。

 

 
2.演技が大袈裟
 
 宮川一夫の撮影技術は
本当に素晴らしいのですが、
やはり、役者さんが大芝居をしているような感が否めませんでした。
 これは、当時の批評でも
指摘されたそうです。
 仲代達也が出ていないだけでも
救いです。
ただ、物語の鍵となる女性を演じた京マチ子は、大変セクシーでした。
 
3.敗戦直後の混乱から来ているのではないか?
 
 こういう映画が作られた背景には、
つい最近まで挙国体制で国民全体が一丸となって戦争を遂行したのに、
敗戦の暁には、皆が責任のなすりつけあいをしていた当時の世相があったのでは? と、ふと思いました。
 

 

 
4.妻を寝取られた夫というお話が多い
 
この映画の後にも、
七人の侍」「用心棒」と、
妻を奪われた夫のお話が
よく出てきます。
 何故でしょうかね?
 
 
以上をもちまして、 映画「羅生門」のレビューを終わります。
 お付き合いありがとうございました。
 
 

 

 
 
※夜中に寝ぼけて書いたので、誤字脱字が例によって多く、修正いたしました。
読みにくい文章を読んでいただいて、ありがとうございます。