コーエン兄弟

コーエン兄弟

ジェル・コーエン(1954~)
イーサン・コーエン(1957~)
 

 
ブロ友のぐりさんのお勧めだった「ファーゴ」(1996年)が面白かったので、
その後、この監督の映画を初期の頃のものから、
かなり観てみました。
 
ブラッド・シンプル(1984年)
赤ちゃん泥棒(1987年)
「バーバー」(2001年)
ノーカントリー(2007年)
 

↑「バーバー」より
 
以前にも、
「ミラース・クロッシング(1990年)
バードン・フィンク」(1991年)などは観たのですが、
何分遠い昔のことなので、記憶が曖昧です。
それでも、「ミラース・クロッシングは面白かったのはよく覚えています。
作品の量が多く、すべてを見ているわけではないので、
私の書いていることが必ずしも的を得ていると言い難いと思いますが、
見た範囲でこの監督の映画の感想を書きます。

圧倒的に、犯罪を扱ったお話が多いです。
しかし、それはマフィアのボスが機関銃を乱射したり、
刑事コロンボのエリートの犯人が、完全犯罪を目論んだりするのとは、
少し趣を異にしています。
市井の小市民が、ふとしたトラブルに巻き込まれて、
あまり計画性も持たずに犯罪を犯し、抜き差しならぬ状況に置かれていく。
そういった展開がほとんどです。
音楽も、たいていは静かで趣味がよく、
俳優は大変抑えたそれでいて深い演技をします。
ですから、ドキュメンタリー映画を見せられているような錯覚を起こします。
(カメラワークはとても秀逸だと思うのですが。)
百凡のハリウッド映画が、煩い音楽とともに、
派手なアクションを毎度毎度披露するのと大違い。
この映画を観賞する人は、
私も含めておそらく一生警察の御厄介になることのない「小市民」で、
いくら誘惑があっても、
これらの映画で行われるような犯罪は決して起こさないはずなんですが、
それでいて、この監督の映画が何かしら人々の心を打つのは、
人間の心の弱さを巧みに表現しているからでしょう。
たいして計画も立てずに犯罪を犯した主人公は、
当然のことながら最後には警察に捕まったり、
殺されたりしてしまうわけですが、
何か他人事とは思えないような気持ちを主人公に感じてしまいます。
 
 
第1作ブラッド・シンプルから主演し、
「ファーゴ」ではアカデミー主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドが、
所々でいい演技をしています。

 
 
 
 
 

「変な顔をした」スティーブ・ブシェミも私は大好きです。
 
 
 
有名な映画賞は
ほとんど総なめにしているようですが、
これからもいい映画を作ってもらいたいです。
 
 それにしても、毎度同じことを書きますが、
どうして日本の俳優は、
これらの映画に見られるようなナチュラルな」演技ができないのでしょうかね
 
(相変わらず、一言多い猫さん
でした。