映画「ビューティフル・マインド」
映画「ビューティフル・マインド」
2001年 アメリカ
あらすじ:1947年。ジョン・ナッシュはプリンストン大学院の数学科に入学をする。彼は「この世の全てを支配できる理論を見つけ出したい」という願いを果たすため、一人研究に没頭していくのだった。そんな彼の研究はついに身を結び、「ゲーム理論」という画期的な理論を発見する。
やがて、その類いまれな頭脳を認められたジョンは、MITのウィーラー研究所に採用され、そして愛する女性アリシアと結婚するのだった。だが、未だに終わる気配のない冷戦が彼の人生を狂わせる。彼の頭脳に目をつけた軍が、敵国の暗号解読を彼に強要してきたのだ。その極秘任務の重圧に彼の精神は次第に追い詰められていき、ついに重い統合失調症になってしまう。
酷い幻覚や幻聴に悩まされながらも、彼は妻と共に懸命に生きていく。
やがて、その類いまれな頭脳を認められたジョンは、MITのウィーラー研究所に採用され、そして愛する女性アリシアと結婚するのだった。だが、未だに終わる気配のない冷戦が彼の人生を狂わせる。彼の頭脳に目をつけた軍が、敵国の暗号解読を彼に強要してきたのだ。その極秘任務の重圧に彼の精神は次第に追い詰められていき、ついに重い統合失調症になってしまう。
酷い幻覚や幻聴に悩まされながらも、彼は妻と共に懸命に生きていく。
この映画は、これまた映画狂(笑)のWANTEDさんのお勧めで、
レビューを読んで気に入ったのでレンタルリストに入れておいたものの、
内容は全く忘れてしまっていました。
ですから、全く予備知識なくこの映画を観ました。
(アカデミー作品賞を貰ったことも、映画を観終わるまで知りませんでした。)
この映画で描かれている病気の事は、私は大変よく知っております。
前にも書いたと思いますが、身近な肉親がこの病気で一生苦しんだからです。
ですから、この映画で描かれる「幻覚」というものが
実際の病人には起こり得ない、
つまりはこの映画は、病気への偏見を助長するんではないだろうかという思いで、、
観ていて悲しくなりました。
ネットで調べてみると、やはり同様の批判があったようです。
それと、
実在するジョン・ナッシュなる人物の経歴をかなり美化して描いているようですね。
大変偏見の強いこの病気への
理解と啓蒙を目的としてこの映画が作られたのだとしたら、
まあ、主人公を幾分美化するのは仕方がなかったのかしれませんし、
如何にも「ヒューマニズム溢れる」
アカデミー賞選考委員の好みそうなお話ですので、
それなりの意味はあったのかもしれません。
この病気は、激しい社会の差別を受ける反面、
20世紀以降の文学や映画の題材としてしばしば取り上げられています。
私が思いつくまま映画の題名を挙げてみましても、
- 「ガラスの動物園」(1950年・1985年アメリカ)
- 「カッコーの巣の上で」(1975年 アメリカ)
- 「ソフィーの選択」(1982年 アメリカ)
- 「シャイン」(1996年 オーストラリア←内容的にはこれがベスト。専門家も褒める。)
- 「シャッター・アイランド」(2010年 アメリカ←これは酷い内容でした。
)
発病前に研究した理論の功績で
晩年ノーベル経済学賞を
受賞した事でもわかるように、
この病気を発病する人は、
しばしば高い知性を持っています。
確かI.ニュートンもこの病気でした。
でも、多くの人々は、
社会で最も軽蔑される統合失調症と、
社会で最も尊敬されるノーベル賞とは、
あんまり頭の中では結び付けたくないようですね。
この事は、ノーベル賞は貰っていませんが、
間違いなく日本一の小説家であった
夏目漱石の精神の病気を、
馬鹿な弟子たちが
頑なに認めようとしなかったことによく表れています。
映画の内容には全く触れませんでしたが、
この映画を観た人が、
この病気を理解したいと思い、
少しでも偏見を軽くしてくれるのならそれは有難いことです。
でも、映画の出来は、
アカデミー作品賞を取るほどのものだったかは