映画「X-MEN:ファーストゼネレーション」を鑑賞する!
映画「X-MEN:ファーストゼネレーション」を鑑賞する!
2011年 アメリカ
という文章の出だしを考え付いたんですが、
つらつら考えてみるに、
今回が5作目になるこのシリーズで、
本当に面白いと思ったのは、「1」と「2」だけ。
という事は、監督ブライアン・シンガーのファンだというのか正解なのかも。
「ユージュアル・サスペクツ」(1995年)も、
「スーパーマン リターンズ」(2006年)も面白く観たしねえ。
ともあれ、一応ファンであることは間違いないので、
惰性で「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」を鑑賞いたしました。
(この映画では、ブライアン・シンガーは原案、製作にまわっています。)
名匠デビッド・リーン監督(1908~1991)は、
米国アカデミー賞の授賞式で、
映画界に蔓延する
「PART1、PART2、PART3・・・」と続くような企画を痛烈に批判しましたが、
まさに今のハリウッド映画は、
「PART2に名作なし」の格言(?)通り、ほとんどは駄作ですが、
思うに、DVDの普及によって、過去の映画が誰にも簡単に観れるようになったので、
作り手が最初から続編を意識して構想を練るようになったからでしょう。
最新作を観るために、
過去の作品をDVDでチェックするのが映画ファンの習慣となりつつあるようです。
(これこそ、製作者サイドの思う壺なんでしょうけどね。)
それに付け加えて今日流行っているのが、「前日譚」(プリクエル)。
さすがに「猿の惑星」の前日譚の企画には驚きましたが、
その他にもいろいろなヒット映画が俎上の魚になりつつあるそうな。
今日のこのブームの起爆剤は、
明らかに「スターウォーズ」のプリクエルの大成功でしょうが、
私の限られた知識の範囲内では、
こういう企画を最初の成功させたのは、
もう映画界では完全に過去の人になってしまったF.F.コッポラですが、
この監督を尊敬する私としては、彼のこういう業績も認めてほしいところです。
じゃあ、この映画はどうなんだ?
という話です。
私は、「1」~「3」を真面目にDVDで復習していなったせいか、
ミュータント同士の超能力を使った壮絶なバトルも、
話を「キューバ危機」に絡めるのは、
「ゴッドファーザーPART2」への
オマージュなんでしょうかねぇ。
これが、プリクエル三部作の第一部なのだそうで、
三部作が完結してから作品の評価はしたいところです。
けれども、文句を垂れながらも私がこの映画シリーズを見続けるのは、
やはり「差別されることへの怒り」が
作品のテーマになっているからだと思います。
この映画で描かれるミュータントは、明らかにユダヤ人の暗喩です。
実際に超能力者なんかが存在したら、
人類は称賛するどころか、気味悪がって抹殺するだろうというのは、
よくSFのテーマになりますよね。
正に天才を輩出するユダヤ人への迫害の歴史がそれを物語っております。
(ブライアン・シンガーもユダヤ人だそうな。)
天才だから迫害されるのか、
迫害されるから天才になるのかは
それは難しい問題ですけれど。。。
三部作全部を観るつもりであります。