映画「ブレインストーム」を鑑賞する!

映画「ブレインストーム」を鑑賞する!

1983年 アメリ
あらすじ:複合未来産業エヴァンス電子研究所の研究チームは、リリアン・レイノルズ博士をチーフとする画期的な実験を行っていた。
 人間の記憶・知覚を他人に伝達するヘルメット型マシンをマイケル・ブレイスが被り、研究助手のゴーディと実験を続けている。「ブレインストーム」と名付けられた知覚伝達の研究は完成に近づきつつあった。最初はぼやけていた映像が鮮明になり、装置で接続された2人の間に神経伝達が行われた。「ブレインストーム」は直接の知覚伝達だけではなく、記録ができるようになる。
 研究の完成を聞いた会社のオーナー、アレックス・ターソンは重役会を招集してマシーンを披露する。人間の脳から直接、攻撃を指令できる技術に軍部が介入して来る。リリアンは研究の軍事転用に強く反対する。
 その頃、研究員のハルがセックス・シーンをエンドレスにしたブレインストームのテープをかけ、心臓麻痺をおこしかける事件がおき、ブレインストーム・テープの危険性が認知されるようになる頃、研究と軍との折衝でストレスのかかっていたリリアンは、1人で研究中に心臓発作に襲われる。死を悟ったリリアンは懸命にブレインストームを起動し、死の瞬間を記録にとどめつつ逝った。
 彼女の死を契機として、軍が研究室を占拠し、軍事転用の研究を始めた。マイケルはリリアンの「死」を記録したテープに執着し、軍の管理下に置かれたテープを再生しようとする。妻カレンと退職したハルの協力を得て、遠隔操作で研究室の設備にアクセスしテープを再生、リリアン臨死体験から死の世界へと引き込まれる。                                                                            (以上Wikiより丸写し)
 

 
 
 
一言でいえば、上品な映画だと思いました。
大変知的な人間を演じております。
普通、もしこれだけの世紀の大発明をしたのなら、
たいていの人が考えるのは、
「これで、どれだけ儲かるか?」でしょう?
事実、この研究所のオーナーは、
裏でこっそり、この発明を軍事技術に応用すれば、
どれだけの富をもたらすかばかり考えて、奔走いたします。
それに執拗に抵抗するレイノルズ博士ルイーズ・フレッチャ)は、
その心労が重なってか、心臓発作で死んでしまいますが、
最期の時にその臨死体験を記録に残そうとする。
普通の人間はそんなことは致しません!
物語の展開は、
その臨死体験
マイケルクリストファー・ウォーケン)が追体験してみたい!
「死」とはどういう事かを知りたい!という半ば哲学的興味に移っていきます。
人間は死んだらどうなるのか
死後の世界とはどういうものか
あの世を再現するためにこの映画で使われるCGは、
今日の異常に発達したそれと比べれば極めて幼稚なものですが、
私はよく表現できていたと思います。
今日隆盛を極めるインターネットバーチャルリアリティを先取りした内容は、
今見ても決して色褪せていません。
派手なアクションシーンでもあれば、
この映画の興行成績ももっと良かったでしょうが、
そういう事を期待する方は観ない方がいい映画です。
「知的な」私は、その哲学的なテーマが大変気に入ったのでありました。
 

 
それにしても、
この「死」をテーマにしたこの映画の中では、
一番「死」とは遠い役柄を演じるナタリー・ウッドが、
(前にも書きましたが)この映画の撮影中に謎の事故死を遂げたのは、
皮肉な話です。
マスコミの情報によると、彼女とクリストファー・ウォーケンとの恋愛関係
に、
夫が嫉妬したとのことですが、
繊細な何とも言えない妖しい魅力があって、
男の私でも惹きつけられるものがありました。
それも、この映画の魅力です。
以上余談でした。