母性愛という神話

母性愛という神話


 
 
必ずしもニュースを詳しく読んでいないのに、
どうしても書きたいことがあるので、適当な感想を書きます。ごめんなさい。
 
感想と言うのは、
大阪市の2幼児放置死事件で
被告の女性に懲役30年の判決が降りた事に関してです。
私の少ない情報の限りでは、この母親に同情の余地はないと思います。
事件が起きた当初は「父親の責任は?」と疑問を感じましたが、
離婚にも母親側に非があるようでしたし、
彼女が子供を引き取る事を同意したようですから。
それでもって、TVでこの女性の顔を眺めておりますと、
「母親」というより「女の子」と言うのに近い感じがいたしました。
子供なんか放っておいて遊びたかったんでしょう。
「親になるのにどうして資格試験がないのか?」という問題提起を、
精神分析家の小此木啓吾氏の本の中で読んだことがあります。
確かに、言われてみればそうですよね。
岸田秀さんに教えて頂かなくても「子供を愛さない母親」というものは、
古今東西いたるところに存在いたします。
(勿論「子供を愛さない父親」も存在します。)
夏目漱石は、「いらない子供」であったがために、幼児の時に里子の出されて、
それが一生のトラウマになったようでありますが、少なくとも餓死はしなった。
昔なら、「いらない子供」は漱石の様に里子に出されるか、
例えば農村だったら、
なんだかんだって面倒見のいい「おばさん」が親代わりになって、
村ぐるみで面倒を見てくれたんじゃないのでしょうか?
そういう生活共同体みたいなものが、近代化とともになくなって、
核家族が生まれました。
少子化がすすみ、高学歴化社会になって、
子供を育てるのに大変面倒な時代になってきた。
このように、社会が急激に変化しているにもかかわらず、
古来より日本人を支配してきた「母性崇拝」がそのまま残っている。
それが、今回のような悲劇を生んだんじゃないのかと思いました。
なにより、辛かっただろう子供たちの最期を考えると涙が止まらないのですが、
明らかに人間として未熟な女性に「母親」と言う役割を与えてしまった社会にも、
問題はあったと思います。
妊娠中絶で子供を殺しまくっているにもかかわらず、
子供を虐待する親のニュースが後を絶たないにもかかわらず、
日本人は「母親の愛」を美化いたします。
森進一も、武田鉄也もそれで大儲けいたしました。
「親(母親)が子供を愛するとは限らない」という当たり前の事実を、
直視しない限り、悲劇は繰り返されるような気がするんですけれど。。。
 
 
暗い話題で、すいません。