映画「ブーリン家の姉妹」を鑑賞する!

映画「ブーリン家の姉妹」を鑑賞する!

イングランド国教会が、ローマ・カトリック教会から離脱する経緯については、
若い頃観た映画「わが命つきるとも」
(1966年)が、
私に強い印象を与えています。
これは、イングランド国王ヘンリー8世(1491~1547)が、
宮廷の女官アン・ブーリンに恋をし、王妃キャサリンとの離婚を一心に望み、
それに宗教上の理由から反対して刑死した
トマス・モアの視点から描かれた名作で、
信念を貫くトマス・モアの知識人としての在り方に、
若き私は、深く感動したものであります。
他にも、
この時代の混迷を描いた映画に「1000日のアン」(1969年)と言うのがありますが、
これは私は未見です。
この映画においては、ヘンリー8世「誑かした」アン・ブーリンと言う女性を、
善良な人物としてとらえており、
史実はそれに近いそうですが、
如何せん、数百年前の閨中の出来事の真偽など、
誰にもわかることではありますまい。
 

 
 
 
さて、2008年のイギリス映画「ブーリン家の姉妹」におきましては、
アン・ブーリンナタリー・ポートマン)は、
極めて野心家の「悪女」として描かれております。
原題(The Other Boleyn Girl)が示す様に、
むしろヒロインは清純なアンの妹(姉と言う説もある)
メアリー・ブーリンスカーレット・ヨハンソン)と言うべきでしょう。
思うに、ナタリー・ポートマン
スター・ウォーズアミダラ姫で定着してしまった
「善良な女王」と言うイメージを覆したかったのかもしれませんね。
その冷徹なマキャベリストぶりは、なかなか見ごたえがありましたが、
個人的な感想を言わせてもらえれば、
この映画においては、
結局は自分の美貌を武器に野心に溺れて不幸な最期を遂げた
アン・ブーリンと言う女性を演じるには、
ナタリー・ポートマンは、あまりに知的すぎる印象が強いのです。
そんな馬鹿な女に見えない。
もっと、
「美人だけれど、思慮の足りない」ように見える俳優が
演じた方がよかったのではないか?と思いました。
これも、ナタリー・ポートマンのファンである私の、一方的な偏見でしょうか?
 
※それと、ナタリー・ポートマンは、泣く演技 
をすると、
せっかくの美貌が台無しになってしまいますね。
これらからは、泣かない役柄で出演してください(笑)
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
宮廷内の醜い権力闘争は、観ていてウンザリする程でしたが、
だからこそ、純粋なメアリー・ブーリンの性格が引き立つ演出だったのでしょう。
この時代の女性にとって、出産という事は大変な命懸けの仕事だったんですね。
有名なエリザベス1世の母であるこのアン・ブーリン
甚く関心を惹かれた猫さん 
は、
映画「1000日のアン」も観てみたくなったのでありました。
 
真実は歴史が裁くとも申しますが、
歴史でもなかなか決めてくれないモノのようです。