死者をして死者を葬らしめよ

死者をして死者を葬らしめよ


 
 
ある方から、内緒で私の母親に関する暖かいコメントを戴いたので、
お盆だし、ちょっと母親の事を書きます。
 
もう、母親がこの世を去って、何年になるかさえ私は覚えていません。
お墓も作っていないし、七回忌とかもしていない。
ちょっと落ち着いたら、お墓は作ってあげたいと思うのですが、
今は自分の事で精一杯なんです。
なんて薄情な息子かと思われるやもしれませんが、
私は、母が生きている間に、十二分の親孝行をした。
そう言う気持ちは、揺るぎません。
だって、もう存在しない人だもの。
死者を弔うのは、
結局生きている人の自己満足でしかないのでは
と思っております。
 
私が、京都から大阪のの元に帰って来ようとしたとき、
医者である私の伯父は、
「母から逃げろ。」と反対しました。
精神病であった母親から、、私を隔離したかったのでしょう。
でも、私にはそれができませんでした。
もし、ひとりで生きていた母親が、あのまま孤独死していたら、
私は一生、自分を責めていただろう。
その後、母親と係る事によって、
私は人生の大損をしましたが、決して後悔はしておりません。
母親の喜ぶ顔が、やはり私には嬉しかった。
 
生きている間に、親孝行するよりほかないですよ。
死んでしまってから、お墓を作って、花を飾って、何の意味があるのか?
死者をして死者を葬らしめよ
と、仰ったではないか!
 
勝手な時にだけ、クリスチャンになる私でありました。