今頃、映画「Love Letter」を鑑賞する!

今頃、映画「Love Letter」を鑑賞する!


1995年 日本
 
私の尊敬する漫画家故青木雄二さんが漫画新人賞かなんかの審査員をしていた時、
審査をする若い漫画家の作品が、
学園ものSFものに限られているのを嘆いておられました。
子供の時から、漫画ばかり描いていて、人生経験が少ないので、
学園ものしかお話が作れないのだそうな。
 
岩井俊二の他の作品を知らずに、いい加減な事を書くのもいけないんですが、
この結構世評高い恋愛映画
を観て、
その世界があまりに小さな学生生活に閉塞してしまうのに、
正直言うとガッカリしました。

 

 
 
 
同じく学園生活から物語が始まる北野武キッズ・リターン(1996年)が、
大きく日本社会の矛盾にまで世界を広げていくのと対照的です。
良くできた恋愛物語だとは思います。
人々の心の琴糸に触れるものを持っている。
ただ、ネタバレは避けようと思うのですが、
この映画で様々な主演女優賞に輝いたらしい中山美穂が、
二つの個性を上手に演じ分けているとも思えないし、
センチメンタルな音楽が過剰すぎてウンザリしてしまう。

 

 
なによりも、このお話の欠点は、
雪山で遭難した婚約者がヒロイン(の片方)を、
実は愛していなかったという点にあると私は思います。
それでは、素直に物語に感情移入しにくい。
 
恋愛映画、邦画の苦手な私だから、偏見もあるのでしょうが、
それほど優れた映画だとは思えませんでした。
 




 
追記:この映画を観た感想の追加
 
①どうして、意味もなく英語ばかり使うのか?
劇中の字幕も英語。タイトルバックも英語。
何の意味があるのか?
 
②現代の日本の俳優は、アップに堪える顔を持つ人が殆どいない。
昔は、白黒映画で画像も鮮明でなかったからかもしれないが、
良い顔をした俳優が多かったように思う。
(昔の女優の美しさは、言うまでもありません。)