映画「マジック イン ムーンライト」を鑑賞する!

映画「マジック イン ムーンライト」を鑑賞する!




2014年 イギリス・アメリ

おはなし:頭が固くて皮肉屋のイギリス人マジシャン、スタンリー(コリン・ファース)は中国人に扮装し、華麗なイリュージョンで喝采を浴びている。そんなある日、とある大富豪が入れあげているアメリカ人女占い師ソフィ(エマ・ストーン)の真偽のほどを見抜いてほしいと友人に頼まれ、早速スタンリーはコート・ダジュールの豪邸へ乗り込んでいく。ところが実際に対面したソフィは若く美しい女性で、スタンリーに“東洋のイメージが浮かぶ”などとあっと驚く透視能力を発揮。この世に魔法や超能力など絶対に存在しないという人生観を根底からひっくり返されたスタンリーは、笑顔も抜群にチャーミングなソフィに魅了されてしまうのだった。他人を騙し騙されまいとするマジシャンと、他人の心を見透かし見透かされまいとする占い師の駆け引きは次第に加速していくが、二人は素直に想いを打ち明けることができない。やがてその行く手には、大波乱が待っていた……。

賛否両論と言うか、否定的な評価が目立ち、興行成績もも一つだったこの映画ですが、私は思いのほか楽しめました。
お話自体は、確かに陳腐なラブコメディでしょうが、ウディ・アレンの語りたかったのは、もっと別のところにあったのではないか?と思いました。




金持ちのボンボンの、馬鹿さ加減が笑える


舞台を1920年代後半に選んだのはそれなりの訳があるはずです。
所謂ロスト・ジェネレーションの時代ですよね。無神論スタンリー(コリン・ファース)は、矢鱈と哲学者ニーチェを会話に引用しますが、この時代のインテリの雰囲気がとてもよく出ていたと思う。何より、私はスタンリーの屁理屈に共感してしまいました(笑) 読書家のウディ・アレンですから、ちょっと判らない隠し味が随所に散りばめられているのではないのでしょうか?
勿論、そういう時代背景が判らなくても楽しめる映画であるべきなんですが、哲学論争みたいなのが大好きな私としては、それで十分でした。




ただ、ソフィ(エマ・ストーン)が全然1920年代の女性には見えないのが難点です。もしかしたら、スタンリーは、未来から来た女性に恋をしたのかもしれません^^

好きな映画監督ですので、かなり贔屓の引き倒しがある感想文でした。