母親離れ
母親離れ
マルセル・プルースト(1871~1922)
今から20年以上も前、
私は精神病の母親を抱えて、右往左往しておりました。
生きていくのがしんどいので、酒に溺れておりました。
自分たちの出世に関わるので、
私の母親を世間から隠ぺいしようとする親類縁者と喧嘩ばかりしていました。
(本当に、インテリって、嫌な生き物です。)
カウンセリングを受けたり、いろんな人に相談しましたが、
皆が異口同音にアドバイスするのは、「母親離れしなさい。」ということ。
でもねえ~、健康な母親じゃないんですよ。
放っておく訳にはいかないでしょう?
「失われた時を求めて」で有名な小説家マルセル・プルーストは、
極度のマザコンで、慕っていた母親が死んだショックで、
しばらくの間、精神病院に入院したそうです。
こういう場合は、「母親離れ」という概念が当てはまるやもしれない。
でも、私の場合、母親が死んで10年。
お酒も止められたし、うつ病も治ったし、
こういうのって、「母親離れしてない」っていうのですかね?
相談に乗ってもらった相手に、
私に対する偏見があったことが明らかです。
精神病の人間の息子でしたからね。