今頃、映画「アパートの鍵貸します」を鑑賞する!

今頃、映画「アパートの鍵貸します」を鑑賞する!



1960年 アメリ

お話:出世の足掛かりにと、上役の情事のためにせっせと自分のアパートを貸している会社員バド(レモン)。だが、人事部長のシェルドレイク(マクマレイ)が連れ込んで来たエレベーターガールのフラン(マクレーン)は、バドの意中の人だった……。

1960年における、アカデミー作品賞監督賞を受賞した、名匠ビリー・ワイルダーの代表作とのことです。所謂シチュエーション・コメディの名作なんでしょうけれど、アカデミー作品賞を取るほどの映画だとは、私は思えなかったです。



考えてみるに、1960年は、まだまだ「古き良きアメリカ」(?)が残り得た時代だったのでしょうね。映画を作るにあたって、やれ、人種差別だとか、女性差別だとかを配慮する必要もない。だから、こんな「軽い」映画が、作品賞を取れた。
アメリ
の繁栄が頂点を極めた時代だったとはいえ、余りに暢気な保険会社が舞台です。会社の重役たちは、仕事なんかほったらかしで、オフィスラブ
(浮気)に精を出す。こんな会社、直ぐに潰れてしまうと思うんですが(笑)
ジャック・レモンが芸達者なところを見せます。若きシャーリー・マクレーンがチャーミングです。(この方、飛び切りの美人とは言えませんが、とても頭の良い方ですね。)




皆さんの予想通りに、この二人は最後に結ばれるのですが、60年近く生きてきた私から言わせると、これは「恋愛」ではない。心優しいバドジャック・レモン)に、ミス・キューブリックシャーリー・マクレーン)が「同情、共感」したに過ぎない。やはり、不倫とはいえ、やり手の上司との燃える様な情交こそ、「恋愛」だったです。元来、恋愛とは、破滅的で、不合理なものなのです!
でも、それでは、家族で楽しめる映画にはなりませんよね^^

原題は、The Apartment」。それをアパートの鍵貸しますとは、粋な邦題です。昔の邦題は、文学的素養がある人がつけたのでしょう。いいのが多いように思います。