「乱」 その1

「乱」 その1


監督 黒澤明
製作 セルジュ・シルベルマン
原正人
脚本 黒澤明
小國英雄
井出雅人
出演者 仲代達矢
寺尾聰
根津甚八
隆大介
原田美枝子
音楽 武満徹
撮影 斎藤孝
上田正治

カラーになってからの、クロサワ映画を、あまり評価しない人が多いし、

私もその一人ですが、

この「乱」(1985年)たけは、別格です。

私のとても思い入れのある映画なので、

2回に分けて、UPさせていただきます。


まずは、Wikipediaからのまる写しの、あらすじから。

戦国時代を生き抜き、3つの城を抱える領土を維持した一文字秀虎。ある日突然、秀虎は家督を嫡男に譲り、自身は隠遁する決意を客人たちの前で告げた。彼は3本の矢を手に取り、「1本の矢は折れるが、3本束ねると折れぬ」と言いながら、息子たちにお互い助け合いながら一文字家を繁栄させるよう説いた。しかし、父親思いの三男・三郎は、70歳になる父親に対峙し、「父上は馬鹿だ。耄碌したのか。息子達が助け合うなどとは考え難く、血で血を洗う事態になるだろう。」と父親の甘さを戒め、3本の矢を力ずくでへし折ってみせた。

客人たちの前で愚弄されたと感じた秀虎は、三郎とその重臣である平山丹後をその場で追放した。客人の一人である別の国の主・藤巻は三郎を気に入り、三郎を婿として迎え入れることを思案した。一方、秀虎の残る2人の息子にかける期待は、思いのほか早く裏切られる。

太郎の正室である楓の方は、親兄弟を舅・秀虎に殺された恨みを抱いており、太郎を巧みに動かして秀虎を亡き者にしようと画策する。隠居した身とはいえ忠実な家来を抱え、城の中で未だに影響力を持つ父親に対し、太郎は、今後は自分が領主なのだから、一切の事は自分に従うようにと迫る。太郎の強硬な姿勢に立腹した秀虎は、家来を連れて次郎の元に赴くが、次郎は「家来抜きであれば秀虎を迎え入れる」とそっけなく告げる。家来を見捨てることなど出来ない秀虎は、家来達と野をさまよう事態に陥ってしまう。




あらすじからすぐにわかるように、これは、シェークスピアの『リア王』の翻案です。

三人の娘を、三人の息子に変えたところを、オーソン・ウェルズは、大変感心したそうですが、

そのせいもあってか、

後述するように、この映画は、欧米では、非常に評価が高いです。

最近は、You Tubeも、規制が厳しくなってきたのか、

いい動画がないのですが、

作品の雰囲気が伝わるいいのを一つ見つけましたので、

掲載させてもらいます。


ところが、公開当時、日本では、酷評されました。

制作費は30億円だったそうですが、日本での興行収入は15億円とふるいませんでした。

1985年と言えば、日本は、バブル経済に向かって国民中が浮かれている時でもあり、

このあまりに暗い話は、敬遠されたのかもしれませんが、

その後の日本の低迷を考えてみると、きわめて予言的な映画だったのかもしれません。

だから、当時の日本人にとって、不愉快な内容だったのでしょうね。

預言者は、おのが郷里以外では、尊敬されない事はない。(「聖書」マルコの福音書 6章4節)


ああ、この映画については、書きたい事が、たくさんある!

どうか、皆様、コメントは結構ですので、

お付き合いくださいませ。<m(__)m>


つづく!