映画『L.A.コンフィデンシャル』

映画『L.A.コンフィデンシャル』                     

(1997年 アメリカ) 
 

 
お話:1950年代のロス市警(L.A.P.D.)。マフィアのボス逮捕による暗黒街の混乱、酔った警官がメキシコ系移民の容疑者に暴行した「血のクリスマス」事件など、騒然としたロスの世相を背景に、カフェで元刑事を含む6人が惨殺された「ナイトアウルの虐殺」事件を捜査するロス市警の3人の警官が、捜査を進めるうちに警察内部の腐敗に直面する人間模様を描いている。
 
相性の悪い映画と言うのあるようです。
この映画は、アメリカの著名な映画賞を総なめにし、
タイタニックがなかったら、アカデミー作品賞もとっていただろうし、
日本での評価も大変よく、公開当時から話題になっていたので、
わざわざビデオテープにダビングして、いつか観ようと本棚にしまっておいて、
でも、どういう訳だか観る気がしなくて、
そのまま観ずにテープを破棄してしまった、
私にとっては曰くつきの映画です。
 

それが、今回例のTSUTAYAのお勧め映画に選ばれたので、↑
昔別れた彼女と再会するような気持ちで、
観てみることにしました。
刑事ものは、本来大好きなジャンルで、
出ている俳優さんも、芸達者な人が多いので、
私の好みに合いそうなものなんですが、
どういう訳だか、お話に乗り込めませんでした。
出世の事しか考えていない刑事(ガイ・ピアースと、
母を虐殺した父にトラウマを抱える刑事(ラッセル・クロウ)。
この二人のどちらにも、感情移入できませんでした。
やはり、悪い予感は当たった訳です。
 

 
演じるハリウッドスターに似せた高級娼婦は、
大変美しかったですが、
本来なら海千山千の高級娼婦が、
女性に少し優しいというだけで、コロッと刑事に参ってしまう設定は、
いただけませんね~
おそらく、この映画は現実にあったことに取材しているのでしょうから、
ロサンゼルスの過去の歴史をよく知っている人からすれば、
もっと楽しめたのかもしれません。
それにしても、特にアメリカで、
著名人のスキャダンルに決まって同性愛疑惑が出てくるのは、
何故なのでしょうか?
勿論、キリスト教倫理がそれを強く禁止しているからですが、
私が思うに、禁止されると却って、「蜜の味」
になってしまい、
上流階級の人間の特権のようになってしまうのではないかと思ってしまいます。
同性愛に対するタブーがアメリカほど強くない日本においては、
こういったスキャンダルはあまり見られない。

こう事件が二転三転し、本当に悪い奴が最後にわかってしまうと、
これがもし現実に取材された物語ならば、
例えば日本の政治において、小沢一郎を悪役にするのが、
いかに単純な見方か?という事を、つくづく思い知らされますよね。