映画「しあわせの隠れ場所」

映画「しあわせの隠れ場所」


2009年 アメリ
あらすじ
家族と共に車で帰路に着く途中、リー・アン(サンドラ・ブロック)は、一人で雨に濡れながら夜道を歩くマイケル・オーア(クィントン・アーロン)に目を留める。彼を放っておけなかったリー・アンは自宅に連れ帰りマイケルの境遇を知ると、一家に迎え入れることにした。リー・アンがアメリカン・フットボールでのマイケルの持つ才能を見い出したことから、彼は一気にスター選手へと開花していく。(wikiより)
 
羅生門のレビューの筆がなかなか進まないので、
れじみさんが誉めていたこの映画の感想を、先に書きます。
観終わってすぐに、この映画は賛否両論分かれるだろうなと感じました。
ネットで、批判的なレビューも読みましたが、
なるほど、お金持ちの白人一家が美味しいところを独り占めしているような映画で、
同じ有色人種として、反感を持たれる方も多いのでしょう。
おまけに有色人種が受賞しない事で有名なアカデミー主演女優賞
この映画でサンドラ・ブロックがもらったとなれば、
怒り心頭の方もおられるようです。
この出来すぎた美談に対する批判は、
映画の中でも散々登場人物によって語られます。
 

 
しかし、私は、「賛」の方に一票投じたいと思います。、
私の狭い人生の見聞においても、
人間は「艱難汝を玉にす」と言うより、
「貧すれば鈍す」「衣食足って礼節を知る」と言うのが
真実に近いような気がするんです。
この映画がどこまで現実に取材したのかは知りませんが、
(かなり、実話に忠実なようです。)
白人一家のしたことが、構造的なアメリカの人種差別問題を何も変えないにしても、
抽象的な理論を振り回すだけに終るのではなく、
一人の黒人少年に未来への希望を開いた方を評価すべきではないのでしょうか?
 

 
なにより、最悪の環境に生れ落ちながら
「貧して」「鈍する」ことのなかった黒人少年に、
私はたいへん尊敬の念を感じました。
 それと、学校の成績というものが、
いかに家庭環境によって左右されるものかという事。
サンドラ・ブロックは好きな女優さんですが、
大変いい「母親」を演じていたと思います。

それにしても、変な邦題は何とかならないものでしょうかね