映画「オーケストラ!」

映画「オーケストラ!」



2009年 フランス映画
 
あらすじ: かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレ(アレクセイ・グシュコフ)は、今はさえない劇場清掃員として働いていた。ある日、出演できなくなった楽団の代わりのオーケストラを探しているというFAXを目にした彼は、とんでもないことを思いつく。それは、いまや落ちぶれてしまったかつての仲間を集めて楽団を結成し、コンサートに出場するというものだった。
 
もう、ユダヤ人迫害物はうんざりだ!
と思いながらも、
(それなら、観なきゃいいのに。。。)
ブロ友さんの評価が高かったので、観てしまいました。
そして、思わず感動。
おそらくクラシック音楽に造詣の深い人が観ると、
音楽的にはケチをつけたくなるところが沢山あると思います。
いつも言うように音楽に疎い私でも、
いくらなんでも何十年もブランクのあるオーケストラ楽団が、
リハーサルなしにこんなにうまく演奏できるはずがない
と感じます。
でも、そう言う「奇跡」が起こっても許したくなるほど、
彼らの背負っている歴史は重い。
ソルジェニーツィンの作品を愛読していた私は、
ソ連共産党独裁政権のもとで、
反革命の汚名を着せられた優秀な人々が、
シベリアの強制収容所で犬死していったお話をよく読んでいたので、
美女バイオリニストメラニー・ロラン)のお母さんのエピソードには、
思わず涙がこぼれました。
(詳しい話はネタバレになるので書きません。)
 
 
 
皆の思いが一つとなる最後のコンサートシーンは圧巻で、
チャイコフスキーの有名なバイオリン協奏曲を、
これほど美しいと思ったのは初めてでした。
東欧系ユダヤ人やロマ族の生活風習もユーモラスであり楽しめました。
 
それにしても、冷戦」だとか何とか言っても、
「クラッシック音楽」というもので一つになれるヨーロッパの人たちは、
ほかに文化的親類を持たない私たちから見れば羨ましいですね。
 
珍しくケチをつけない猫さん 
です。