映画「ヤコブへの手紙」を鑑賞する!
映画「ヤコブへの手紙」を鑑賞する!
2009年 フィンランド
あらすじ:12年の刑期を終えて出所した元囚人のレイラ(カーリナ・ハザード)は身寄りがなく、ヤコブ牧師(ヘイッキ・ノウシアイネン)の家に住み込みで働くことになる。盲目の牧師のもとへ届く手紙を音読し、返事を代筆する仕事を嫌々こなしていたレイラだが、ほかに行く当てのない自分をかけがえのない存在として認めてくれる牧師に対して次第に心を許すようになる。だが、ある日を境に毎日届いていた手紙がぷっつりと途絶えてしまう。気落ちし、日に日に弱っていく牧師にレイラはある秘密を打ち明ける。
子どもの時に受けた教育は、人間を一生支配するものなのでしょう。
何度も書きますように、
クリスチャンであるmoさんと同じように、
やはりこの映画は気に入りました。
登場人物も、舞台となる場所も極めて限られていて、、
さながら密室劇のような趣の映画でしたが、
俳優陣の見事な演技に支えらえて、
最後まで飽きずに見ることができました。
誠実この上ない盲目の牧師と元終身刑の女性。
最初は捨て鉢に仕事をこなすレイラでしたが、
牧師の誠実な姿勢に、
固く閉ざされた彼女の心はだんだん解されていきます。
下手な説教を聞かされるだけでは、人間こうはいきません。
そして、牧師様も決して聖人だとは言い切れない
人間的な弱さを併せ持っている。
見た目は正反対ながら、
もう社会からは相手にされなくなったと言う点では共通な、
孤独な二人の魂の交流には、
胸を打つものがありました。
レイラの涙のなんと美しかったことか!
聖書の中の「ヤコブへの手紙」とどのような関連があるのかはよくわかりません。
それでも、こういう地味な映画から、
(当然美化されているとはいえ)
キリスト教のエッセンスが伝わってくるような気がいたします。
こういう映画は、きっとキリスト教の布教には役立つんでしょうね。
金儲けの事ばかり考えて、「厄除けうどん」などを高値で売っている
難をいえば、人生に希望の光を見出したレイラと正反対に、
何故牧師様は最後に死ぬ必要があったのか?
彼女の心を救うのが、彼の最後の務めだったのでしょうか?
私にはわからない。
とは言え、小品ながら心に残るいい映画だと私は思いました。