「熱しやすく冷めやすい」反原発運動にならないでね

「熱しやすく冷めやすい」反原発運動にならないでね


 
 
私の見聞が狭いせいか、ブログなどで盛んに展開された
去年あたりからの「反原発ヒステリー」(敢えてこういう言い方をいたします)
鳴りを潜めたような気がしたします。
勿論、今も地道に原子力発電について研究し、
根強く反対運動を展開されている人もいるでしょうけれど、
そういう人は、あの日以前から同じ運動を継続していたはずです。
この世界的に有名な未曾有の福島の原発事故に関しては、
私は意見の相違で多くのブロ友さんを敵に回してしまったんですが
私がそういう言動を胡散臭く感じたのは、
威勢よく「原発批判」を連日記事にする人たちが、
あの日が到来するまで、
あんまりこの件に関心を持っておられなかったようにお見受けしたからです。
 
毎度同じ話でウンザリすると思われるでしょうが、
もし生きていて、今回の事故を見て、
「それ見たことか!」と言うのなら話はよく分かる。
原子力発電所メルトダウンが止まらなくなって、
富士山が溶けてしまう悪夢を描いた映画「夢」の「赤富士」のエピソードは、
まさに今回の事故を予言していたとも言えるでしょうが、
製作当時はスポンサーがつかなくて、アメリカ資本で作らた映画です。
この事件を契機に、黒澤の再評価の機運が高まったとは言えない。
何故かと言えば、
もはやクロサワはこの国においてスノビズムの対象となりえないからです。

 
私が、ヒステリックな反原発記事が気に入らない点を列挙するなら、
 
1.すでに起きてしまった、
誰が見ても悪いと決まっているような事故を声高に批判する。
2.「1.」と同じことだと思うんですが、「流行の勝ち馬に乗ろうとする。」
3.「大企業」=「悪」と言うステレオタイプから、抜け切れていない。
4.「じゃあ、どうするのか?」というこれからの展望があまりに稀薄。

私もはっきり言って、原子力発電は危険なものだと思います。
でも、今こうしている間にも、
私達は世界的に見ても稀な物質生活を享受している訳です。
私たちだって今回の事件の「加害者」なんです。
今も当事者として、
事態の収拾と今後の展望を模索されている現場の人は沢山いるはずです。
そういう人々の苦労をもっと尊敬すべきだと思うんですが。

ネットで匿名で権力批判するなんて、誰でもできることですからね。
「反原発運動」に賛同するなら、せめてあと10年は続けてください。