小説「惨 戦国鬼譚」

小説「惨 戦国鬼譚」

 

 
 
 
現代の文学は、最近は村上春樹以外ほとんど読んだことがないし、
あまり興味もなかったんだけれど、
ネットで見かけて面白そうだったので、すぐに取り寄せました。
(まだ、本は到着していませんが、便利な時代ですよね。)
作者の伊東潤さんに関しては、全くの無知なんですが、
戦国時代の武田家の滅亡に関しては、
かねてより関心があるので、興味深く読めそうです。
ネットからパクった作者の弁。
 
武田家末期の混沌を描いた五作の小品から成る連作短編集です。
滅亡や終焉を迎え、人は様々なものを守ろうとします。己の命、財産、名誉といったものから、一族や領民の安全まで、個々の地位や立場によって、守ろうとするものは様々です。滅亡という危急の場において、人はいかに考え、行動するか、そして何を取り、何を捨てねばならないか、そうした究極の選択を描いたのが本作です。

 
「天は我々を見はなした~
が流行語になった映画八甲田山(1977)の影響だったか忘れましたが、
高校生の時に新田次郎の小説に興味を持ちまして、
小説武田信玄を大変面白く愛読しておりました。
で、その事実上の続編にあたる武田勝頼が、
涙なくして読めない(私にとっての)傑作だったのであります。
栄華を極めた信玄時代とあまりに対照的な勝頼の哀れな最期。
 
 

 
 
晩年の黒澤明が、「滅び」と言うテーマに憑りつかれて作った、
(私は失敗作だとは思うけれど
代表作の一つとされる映画「影武者」(1980年)
も、
同様に、武田信玄亡き後の、武田家に焦点を当てて話が作られています。
「影武者」長篠の合戦の大敗
で話が終わっていますので、
まあ、この小説は映画の後日譚と思えばよいかもしれません。
 
 

 
 
 
 
久しぶりに、読書欲が湧いてまいりました。
面白ければ、感想文を書きます。