宇佐先生の思い出

宇佐先生の思い出

ブログで、森田療法の事を書くと結構反響があるので、
ついでに、お世話になった宇佐晋一先生の事を、
少し書いてみたいと思います。

 

 
もう、かなりご高齢なので(1927年生まれ)、
実は、もう他界されたのでは?と、
大変失礼なことを考えておりましたが、

ネットで調べてみると、まだまだ現役バリバリなご様子なので、
とても驚きました。
神経症が直らないので、
伯父に連れられて最初にこの先生の診察を受けたのは、
20歳くらいの時だったと思います。
先生と同じ大学出身の医者で口の悪い伯父は、
「お前より、先生の方が病気やないか!」と笑っておりましたが、
実を言うと、本当にロボットみたいな人なんです。(笑)
お父さんが、森田療法創始者森田生馬先生の高弟で、
そのお父さんの薫陶を受けて育たれたのですが、
兎に角、よく働く。
一日中、休む間もなく動いている方でした。
(それが、森田療法の実践だったのかもしれませんね。)
余りによく働かれるので、
私が、「実は、先生には双子の替え玉がいるのではないか
と、
神経症仲間に言うと、
くそまじめな仲間たちを怒らせてしまいましたけど。(笑)
医者だから、教養が深いのは当然でしょうが、
趣味か何だか知らない美術史の知識には驚くべきものがありました。
古今東西の美術に精通しておられるようでした。

 

 
 
私のその後の物事の考え方に与えた、
この先生からの影響は本当に多大であります。
日記を毎日添削してもらったのですが、
未だに、その日記は大事に保管してあります。

「不安をしみじみと味わいなさい。」

「心を行動の基準にしない事。気分本位で生きない事。」

「努力即幸福」

その他に、素晴らしい言葉が沢山あるんですが、
これらの言葉は、皆日記に先生が奇麗な字で書いてくださったものです。
(誤字脱字があると、絶対許さない方でした。
偉い先生なんだけれど、本当に腰の低い方で、
最後にお別れの挨拶をした時に、
「お元気で。」と私に深々とお辞儀をしてくださったのをよく覚えております。

こんな事書いていると、懐かしくなってきて、
久々にお会いしたくなってきました。
私の事を、覚えていてくれておりますでしょうか?