「カラマーゾフの兄弟」読書終了

カラマーゾフの兄弟」読書終了




いや~、やっと読み終わりました。
二度目ですが、やっぱりヘビーでした。
高等遊民のお兄ちゃんの熱に浮かされたような饒舌や、
これまた他にすることがない上流階級の貴婦人の
「愛している」だの「愛していない」だのという言葉遊びとヒステリーが
延々と続くわけであります。
ドストエフスキーの小説は、たいていそういう風ですが。)
でも、それを我慢して読み進めていると、
ストーリーは推理小説の展開になってきて、俄然面白くなる。
有名な「大審問官」のくだりでは、私は心が震撼しました。
イヴァンーカラマーゾフの疑問は私にはよく理解できます。

一昔前、大阪の女性が、自分の子供2人をマンションに閉じ込めて餓死させた事件がありましたね?お腹が空いて食べるものがないかわいそうな子供たちは、自分の排せつ物を食べて死んでいった。
もし、神が存在するのなら、何故このような事件が起きるのか
神はこの子供たちに、どんな摂理を示したのか

異常な人物と異常な事件が続く物語の中で、唯一私たちが共感できるのはアリョーシャ・カラマーゾフの言動です。この長い物語の最後のイリューシャという少年の葬式での彼の演説には、思わず涙を流してしまいました。

「これは小説でなくて象
だ!」
と評したそうです。
この小説も、私にとってはやはりです。短い文章で語るにはあまりに大きすぎる。
でも、この小説を読むのを躊躇されたり、途中で挫折した方には、ぜひ読破することをお勧めします。前半は確かにしんどいですが、途中からは物語としての面白さが引き立って最後まで飽きずに読めるでしょう。そして、読み終わって、またとない人生経験をしたと感じることでしょう。









次は、罪と罰を再読します。