「男尊女子」を斜め読みする

男尊女子」を斜め読みする




かつてK大学で、フェミニズムについて教えていた私の義叔父と、大喧嘩をしたことはこのブログで再々書いたともいますが、私が日本のフェミニズムについていろいろと疑問を呈すると、段々自信が持てなくなって「一時の流行やなあ。」と返答したのには呆れてしまいました。



地動説を唱えて、宗教裁判にかけられたガリレオ・ガリレイは、密かに「それでも地球は回っている。」と呟いたと言われますが、そのあとに「一時の流行やなあ。」なんて言わなかったのであります。(笑)
日本人の思想なんて、大抵こんなものです。海外で流行っている思想をいち早く紹介した方がお金が儲かります。皆が、好奇心をもって知りたがるから。そういうことを生業にしている人を「学者」と呼ぶのであります。

酒井順子さんのこの本を、さっと斜め読みした限りにおいて、この方はきわめて真面目な方なのだなあと、感じました。学校の勉強がよくできて、学校で先生に教えて戴いた考え方をそのまま信じておられるような気がしました。



これも、以前に書いたことですが、学生運動が華やかなりしころ、アラン・ドロンは「日本に革命が起きる。」と来日を中止したことがありました。その時代の大学の先生の中には、学生に「もうすぐ、日本に革命が起きるから、就職活動をしても無駄だ。」と真剣に教えていた人もいたそうです。
でも、日本に革命なんて起きませんでした。
庶民は、マルクス主義革命なんて信じておらなかったのであります。

同様に、「来るべき男女共同参画社会」なんて、フツーの庶民は信じていないのではないのでしょうか?輸入思想で、日本の社会を説明する胡散臭さをフツーの庶民は見抜いている。だから、日本に於いては、「男女平等」があまり進展しない。

歴史的に見て、マルクス主義革命を信奉したロシアや中国が貧乏くじを引いたのは明らかです。西洋の思想を鵜呑みにしない方が成功する。「和魂洋才」と言いますが、日本がここまで経済的に成功したのも、西洋の思想なんかまるで信用していなかったからでしょ? 単なるファッションなんですよね。民主主義と言えば、ちゃんと革命が起きた韓国やフィリピンの方が進んでいるはずです。でも、庶民の幸福度と言えば、はるかに日本の方が上でしょう。

将来、「男女平等」の社会が確実に訪れる、と信じている時点で、私はこの方(酒井順子さん)の考え方についていけませんでした。やはり、「だから日本は遅れている。」という論調になっているように感じました。
異論があれば、伺いたいと思います。