映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を鑑賞する！

2017年　イギリス

イギリス

の政治家ウィンストン・チャーチルについては、予てより興味がありました。詳しい歴史的な事件をそれほどよく知っている訳ではありませんが、こういう賛否両論が起きやすい人物は私の好みです(笑)　彼の言葉で、大変印象に残っているものがあります。確か第二次世界大戦後、ナチスドイツの戦争犯罪を裁くニュルブルグ裁判に出席したときに、

「戦争に勝ってよかった。もし負けていたら、私はあの被告席に立たされていただろう。」

と言ったというのです。所詮世の中「勝てば官軍負ければ賊軍」であって、正義なんてそんなものに過ぎないと。

どこまで史実に忠実かはわかりませんが、この映画を観て、この「勝てば官軍」という歴史の論理をより一層、私は実感しました。圧倒的にナチスドイツが軍事的に優勢な時に、和解を拒否して徹底抗戦を呼びかけたウィンストン・チャーチルは、見方を変えればパラノイアに過ぎなかったのではないかと。もし、戦局が少し変わってナチスドイツが優勢なまま終戦を迎えていたら、彼は「大英帝国を危機に陥れようとした売国奴」と呼ばれていたやも知れない。。。

無知な私に、そんな感想を抱かせるほど、この映画は当時の情勢を客観的に描いていたのでしょうね。決してウィンストン・チャーチルを英雄視していない。大変癖のある人物として描かれています。ゲイリー・オールドマンの演技は素晴らしい。メイクアップも見事でした。

暇な方は、お金を払って観なはれ！