追悼 ミロス・フォアマン

追悼 ミロス・フォアマン



楽しみにしていた映画レッド・スパローでしたが、も一つ私は面白いと思わなかったので、ちょっと古い話ですが、映画ネタを一つ。



その作品を、詳らかに鑑賞したわけではありませんが、
ミロス・フォアマンは、私にとっても偉大な映画監督でした。
1回目のアカデミー作品賞に輝いたカッコーの巣の上で(1975年)は、
私には、あまりに観るのが辛い映画で、1回しか観ていませんが、
2回目のアカデミー作品賞に輝いたアマデウス1984年)は、
何度も何度も鑑賞した、私のバイブルのような映画です。


この映画で一躍有名になったアントニオ・サリエリ(1750~1825)という人は、
実際はそんなに陰険な人ではなかったそうですね(笑) 後輩への面倒見がいい当時の名士だったらしい。
むしろ、この映画は「平等」という思想が全世界に行き渡った現代に生きる人々への寓話でしょうね。「人間は平等だ!」とか言い出すと、どうしても、そこに嫉妬の問題が絡んできます。人間は、その才能も生まれ育った境遇も、絶対に平等にはできないのですから。私は、共産主義は「妬みの体系」だと思う。そんな時代に天才に嫉妬してしまうと正に地獄。その地獄を真正面から描いた唯一無二の映画でしょう。



ポルノ雑誌「
ハスラー」創刊者のラリー・フリントを描がいた「ラリー・フロント」(1996年)も大変印象的でした。「表現の自由」を巡るお話です。何故か、私の見た彼の作品には、皆精神病院が出てきておりましたね。

偉大な才能が失われました。
極東の島国から、合掌。