映画「アウトレイジ 最終章」を鑑賞する!
映画「アウトレイジ 最終章」を鑑賞する!
北野武監督の映画は、興行的に当たらないと相場が決まっていたのに、最近は風向きが変わってきたみたいですね。私も、「アウトレイジ ビヨンド」(2012年)とこの「アウトレイジ 最終章」を面白く観ました。ストーリーテラーとしての北野武さんは、益々健在のようです。
ただ、私の大好きな、そして興行的には大失敗に終わった「ソナチネ」(1993年)なんかとは、明らかにやくざに対する視点が違いますね。初期の頃の北野映画においては、やくざは社会から疎外されたアウトサイダーとして描かれていた。
しかし、「アウトレイジ」においては、殺人まではしないけれど、職場なんかで誰もが経験する権力闘争の縮図を映画の中に発見するように作られている。
この映画シリーズの見せ場である西田敏行さんが啖呵を切るシーンで、皆が胸がすく思いがするのは、実社会では誰もが言いたくてもここまで言えない気持ちを映画の中で代弁してくれるからでしょう。私も、胸がすく思いです(笑)
でも、やくざは所詮、やくざ。犯罪者集団です。こういう映画にカタルシスを感じてしまう傾向は、やっぱり危険な感じがするんですが、ねぇ。